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本校普通科未来創造コースはコース独自の取り組みの一つとして「未来塾」という講演会を各学期に行っています。
さまざまな職種の方が講師となって,講話を聞くことで,自分自身の進路や社会問題への意識付けのきっかけとなっています。
今回は,NPO法人かごしま探検の会代表理事をつとめている東川隆太郎先生をお招きして,「鹿児島の偉人に学ぶこと~西郷どんを中心に~」のタイトルでお話をいただきました。
話の中身は,
1:大河ドラマ「西郷どん」の作り方と裏話
2:鹿児島の教育の一つである「郷中教育」とは何か
3:西郷隆盛とはどんな人物なのかの考察
の3点です。
「西郷どん」製作スタッフの一人として2016年から「西郷どん」放送終了までの3年間製作に携わってきた東川先生。
製作で意識したのは「鹿児島らしさを伝えていくこと」であり,鹿児島の場所や方言(鹿児島弁)について東川先生自身が勉強を重ねてきたエピソードをお話されました。
上の写真は「西郷どん」のロケで使った場所の一つですが,ロケ地の選定・提案について,行政の方々の協力でアスファルトやガードレールをいったん取り除いてもらい,当時の時代背景に近い形を再現していったことも述べられました。
西郷隆盛の時代に注目された「郷中教育」にも話がおよび,心も体も鍛える”実践教育”を行っていたこと,判断力を見いだすトレーニングである”詮議”を行っていたことなどを,例を挙げながら述べられました。
上の写真は郷中教育の一つに含まれていた「遠行」の一つ,妙円寺詣りです。
では,西郷隆盛とはどのような人物だったのでしょうか?
東川先生の考察はたくさんありますが,その一つを紹介すると,「自ら決めて自ら動く人」であったと評しました。
上の武士には絶対服従であった時代,西郷隆盛は理想とする道徳観で動いて,自分で判断して動いていたので,ある意味では「わがまま」であったけれども,自ら動いた結果,江戸城無血開城や廃藩置県など,大きな功績を得た事実もある,と述べられました。
「完全を追い求めていた西郷でしたが,完全ではないところに西郷のおもしろさを感じる」と,西郷隆盛の魅力を語って講演は終了となりました。
皆,興味をもって積極的に聞いていました!
鹿児島の歴史や偉人を詳しく知ることで,自分の知見が深まったのではないでしょうか?
今回の講話が,郷土を深く知るきっかけにしてもらえたらと願っています!