~ 気持ちを新たに伝統を引き継ぐ更なる飛躍へ誓いを胸に ~
県内私学で最古の歴史を誇る本校の創立記念日を祝う式典が平成22年9月24日にありました。127周年を迎えたこの日、慰霊祭に引き続き行われた式典では各学年を代表した生徒が創立記念日に寄せた作文を朗読し、伝統を引き継ぐとともに、新たな気持ちでスタートする決意を述べました。式典には全校生徒が参加し、厳粛な雰囲気の中で行われた式を終えて、更なる飛躍への誓いを胸に抱いていました。
本校では、「広く学問を修め、礼をもって行いをただす」とする博文約礼(論語)を建学の精神として明治16年(1883年)、鹿児島市高麗町の甲突川湖畔に県内唯一の人材養成塾として誕生した「博約義塾」が前進です。その後、国策として鉄道員を育成する「博約鉄道学校」(1916年)「鹿児島鉄道学校」(1925年)と変遷を経て、昭和25年(1950年)には学制改革により高等学校に昇格し、「鹿児島鉄道学校」と改称しました。昭和35年(1960年)には、新設された商業科を加えて「鹿児島商工高等学校」と校名を変更、さらに平成6年(1994年)には、大学進学を目指す普通科の充実を図り、現在の「樟南高等学校」に校名変更して現在に至っています。現在の校舎(鹿児島市武岡1丁目)は平成7年(1995年)に鹿児島市荒田1丁目から移転、新築したものです。
式典では校歌斉唱に続いて、作文朗読が行われました。文理コース1年の松本星香さん(小宿中)は、「夢の実現のために精一杯努力しようと決意して入学した」として、創立記念日を機に自分を見つめ直し、勉学に励む決意を表明しました。英数コース2年の徳留正明君(東市来中)は、入学してから本校の長い歴史を初めて知って驚いたと話した後、「公立入試に落ちて第二希望の本校に入学することになり、気が進まなかったが、入学直後の野球全校応援に参加して、樟南生としての誇りが芽生えた。自分自身にも目標ができた」と述べました。本校の伝統の継承と合わせて、改革の必要性を訴えたのは文理コース3年の植屋義勇君(伊敷台中)。伝統について、「先輩達が築き上げてきて、後輩達がその良さを認め、今に継承するもの」と述べたうえで、「長い歴史のもとに築かれた伝統を尊重すべきですが、時として打ち破り、次の世代を担う若さあふれる新しい風を起こすことも本校の責務ではないか」と「改革」に目を向けた強いメッセージを打ち出しました。
3名の作文朗読を受けて、時任保彦校長は式辞で、「創立記念日をどのように受け止めているのか楽しみにしていた。3人の考え、決意に対して心強く思った」と評価したうえで、本校の歴史を丁寧に生徒に説明。創立記念日を迎えるに当たっての心構えとして、「疾風に頸草を知る」(激しい烈風が吹くと、弱い草は倒れて強い草だけが残るように、困難に遭って初めてその人の強さが分かる)という言葉を紹介して、「今日を単なる記念日として捉えるのではなく、様々な困難を乗り越えて未来に向かって歩き出す日にしてほしい。それぞれが実績を残して樟南生としての強さを示していってほしい」と檄を飛ばしました。
式典では同窓会長式辞、祝電披露のほか、永年勤続者表彰が行われました。永年勤続表彰者は、中村啓子先生、山之口和也先生、鈴木渡先生の3名です。
式典終了後、「忘師忘友の碑」へ献花,拝礼する時任校長と生徒会 |